‡1.きっかけ‡ ‡出会い‡ 「はぁー・・・席替えしたいなぁ〜・・・。」 と、ため息をしながら、言葉をこぼす、 この子の名前は金沢 咲。 メガネをつけて、髪型はセミロングの2つしばり。 元気で明るいのが一番のとりえだった。 「何でそんなに席替えしたいの?」 と、横から問いかけてくるのは、親友の子馬 絵梨。 「だってさー・・・こいつが・・・」 そう言いながら、隣の席を指差した。 その席の人の名前は阿川 拓也。咲の彼氏。 「ってかまだ付き合ってたの?」 絵梨があきれて言った。 そう。 阿川とはしゃべんないで、時間ばっかり過ぎてる。 うちはもう冷めちゃったけど・・・。 あっちはどうだか。 「知らないよ!しゃべんないし・・・。手紙わたしても返事来ないし。」 あの日から・・・。 「阿川の事、まだ好き?」 絵梨が心配そうな顔で言った。 「そっかー。まぁー、明日席替えだしね。」 「ふーん、・・・・・え?!まじ!?」 咲はそれを聞いて、飛び上がった。 「よっしゃ!じゃあ、テンションMAXで!」 嬉しくて、その後もずっと騒いでいた。 翌日。 「おっはよ〜♪」 咲は満面の笑みを見せた。 「おはよー!そーいえば、今日席替えだね。」 と、ノリ良く来るのは、親友の安藤 里子と神田 香奈美。 「このまま、絵梨とは離れないで、阿川とは離れたいんだけど・・・。」 咲はちょっと不安な顔をした。 ・・・もしまた隣が阿川になったら、どうしよう・・・ そんな事を思っていた。 「まぁ、席離れてても、話せるし。席離れたら、休み時間いっぱいしゃべろーね!」 里子が周りの空気を変えて、明るい空気にした。 周りが皆、笑顔になっていく。 キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン・・・ 「んじゃー、健闘を祈る!」 「うん!祈るわー!」 ガラッをドアを開け、東村先生が入ってきた。 正直この先生はウザイ。 「気をつけ。これから1時間目の勉強を始めます。」 日直がそう言っても、まだ数人話している。 「静かにしよーやー!」 と東村先生が注意しても、やめる気配はない。 「始めまーす!」 誰かが言って、そのまま授業が勝手に始まってしまった。 それに怒った東村先生が6−2を説教し始めた。 皆が口々に「ウゼェ」や「死ねや」といい始める。 その長ったらしい説教も終わり、ようやく本題に入る。 「じゃあ、席替えします。代表委員は前に出て、席の表書いて。」 代表委員の里子と幼馴染で親友の武田 裕大がだるそうに立ち上がった。 カツカツと音を立て、黒板に席の表を書き上げていく。 「007031♪レ○パレスです♪」 と咲は後ろを向いて、いきなり言い出した。 咲の幼馴染の岩山 活は爆笑した。 「いきなり、なんだよ!w」 笑いながら言った。 「いや、べっつにー??」 「ウゼェw」 そう話しているうちに席の表が完成した。 「はーい、じゃあ・・・」 男子は「男子から!男子から!」と、女子は「女子から!」と訴えている。 「女子から!」 男子からのブーイングが殺到する。 女子は「イェーイ!」と言い、くじの所へ向かう。 席替えの方法はくじ引き。 咲は皆より1秒ぐらい遅れて、席を立つ。 ・・・マジで頼みます。神様。 どうか阿川とだけは席を離して下さい・・・! 心臓の音が体に響く中、咲はくじを引く。 そして、おそるおそる、くじの紙を開いた。 ───16。 丁度、窓際の席の2列目。 真ん中。左右が男子になる。 サイアク。 いきなり阿川と隣の席になる確率UPだし。 咲は落ち込みながらも、絵梨達の方へと向かう。 「皆〜、どうだった〜?」 「5だったよー!」 絵梨は手をVサインにして、笑顔を見せる。 「香奈美と里子は?」 「うちは1で、里子は15!」 「まぁじで!?うちと里子、めちゃくちゃ近いじゃん!うち、16!」 「嘘!?」 咲と里子は驚きのあまり、声が大きくなった。 咲は近くに里子がいる、と言う事がわかって、ほっとした。 あとは・・・・阿川。 「次、男子。」 と言い終わる前にもう男子はすでに立っていた。 男子が次々とくじを引いていく。 「うわー・・・最悪だべ」や「ありえない」の声が聞こえてくる。 咲は机で手を組み合わせて、祈った。 里子も祈っている。 里子の隣の席が決まった。 香奈美と絵梨の隣はもう決まっていた。 香奈美は渡辺 和也、絵梨は活だった。 咲の左隣の席の所に名前が書き込まれていく。 その名は・・・・阿川。 「はぁっ!?」 思わず叫んだ。 「どーした?」 慌てて里子がかけつける。 「マジ、有り得ないんだけど。」 咲は眉間にシワを寄せて、言った。 香奈美と絵梨も「何々?」と言う表情で、かけ寄り、席の表を見た。 「あちゃー・・・。」 絵梨が「まじですか」と言う顔で言った。